ふるさとの歌-シュリーヴナモン

ふるさとの歌[08-02] シュリーヴナモン
 
== ミクシー(mixi)からこのページへ来られたみなさん、ようこそ。==
 
私自身はミクシーの会員ではありませんし、どのようなコミュニティーからお来しいただいたのかわかりませんが、このブログではアイルランドやスコットランド、さらにもう少し幅を広げて世界の音楽を通し、その国や地域の文化に触れていっています。
それにしても、シュリーヴナモンへのリンクは驚きでした。
当ブログを紹介していただいたミクシー会員の方に感謝いたします。ありがとうございました。
 
また、私はサッカーJ1アルビレックス新潟のサポーターでもありますので、できるだけ多くの試合に出向き、レポートしていきたいと思っています。
 
これからも、このページに限らず北国の灯にぜひお立ち寄りください。
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誰しも生まれ育った土地には愛着があり、特にその土地を離れて過ごしていると、その土地が懐かしく思い出されます。
故郷を思う気持ちは時として歌に託され、どの国でもどの地域でも歌われ続けています。
私は小さい頃から何故かそういった歌に関心を抱き、歌詞や楽譜を集めているちにそこそこのコレクションができました。
 
そんな中から月1~2回の予定で「ふるさとの歌」と題して、アイルランド、スコットランドを中心に、故郷を歌った曲を紹介します。
どれもその土地の人にはよく知られている曲です。
できるだけYouTubeや他の音声メディアを通し、曲調も知っていただきたいと思っています。
 
第2回はアイルランド南部の山、Slievenamonを歌った曲です。
 
アイルランドは大きく4地域に分かれます。日本で言えば東北地方、関東地方というようなものです。
北部はアルスター(Ulster)で大部分はイングランドの占領下にあり、英国の一部です。ダブリンを含む東部はレンスター(Leinster)で比較的肥沃な土地です。
西部はコナハト(Connacht)、南部はマンスター(Munster)で、19世紀半ばのジャガイモ大飢饉の際には国内でも大きな被害を受けました。
 
マンスターのティペラリー(Tipperary)州の南端に海抜722mの山があり、この地方の象徴になっています。
その山の名はシュリーヴナモン(Slievenamon)で、ケルト語(アイルランド語)のSliabh na mBan(Mountain of the Women)の発音に準じ英語転記した名前です。
この山を歌った有名な曲があります。
その名もSlievenamonです。
 
19世紀後半、ティペラリー州のクロンメルに住んでいたチャールズ・キッカム(Charles Kickham)によって書かれました。
キッカムのオリジナルタイトルはThe Maid Of Slievenamonです。
この詩は大きく2つのテーマからなっています。
ひとつはイングランドからの永遠の解放で、それは第3節の「My land, will you never uprise ?」(わが国よ、君は立ち上がらないのか?)や「see our flag unrolled」(われらの旗がひるがえるのを見る)に現れています。
もうひとつは恋人との別れです。
第1節の「I never shall forget the sweet maiden I met」(私が会った優しい少女を決して忘れない)、第2節の全部、第3節の「My love, oh my love, shall I ne’er see you more ?」(私の恋人よ、もう君と会うことはないのか?)などです。
ジャガイモ大飢饉のため、離ればなれにならざるを得なかった男女の別れです。
そして、この詩全体に流れるのは、祖国アイルランドで過ごした楽しい日々を思い、アイルランドのイングランドからの完全な独立を願う気持です。
この歌はティペラリー州のサッカーやハーリングなどの試合の後でよく歌われます。
 
ここに紹介する詩は1969年にPhilips(アイルランド)からリリースされたLP「The Voice of Erin: Irish Songs6588009)で故フランク・パターソン(Frank Patterson)が歌っていたものです。このLPは知人からアイルランドのお土産にいただきました。(下の写真)
          
 Frank Patterson(1969)  The Voice of Erin (LP) 
 
最近のアーティストの歌では、しばしばshallがwillになったり、適宜 and 等の接続詞を挿入したりしています。
You Tube ではモーリン・ヘガーティー(Maureen Hegarty)の歌をお聴きください。
 
 
                Slievenamon             シュリーヴナモン
 
Alone, all alone, by the wave-washed strand           ひとり、ただひとり、大喝采の中で
And1) alone in the crowded hall                                          満員のホールでひとり
The hall it is gay, and the waves they are grand       ホールは楽しく、ウェーブは大きい
But my heart is not here at all.                                             でも私の心はここにはない
It flies far away, by night and by day                                 それは夜も日も遠くへ飛んでいく
To the times and the joys that are gone.                           過ぎ去った楽しい日々へと
And2) I never shall3) forget the sweet maiden I met      私が会ったあの優しい少女を
                                    決して忘れない
In the valley near4) Slievenamon.      シュリーヴナモン近くの谷で会った少女を
 
 
It was not the grace of  her queenly aire           女王のようにあふれ出る優雅さじゃない
Nor her cheek like the rose’s glow                                     ばらのような赤い頬でもない
Nor her soft black eyes, not her brown flowing hair   優しい黒い目でもなびかせる
                                    茶色い髪でもない
Nor was it her lily white brow,                                             ユリのように白い額でもない
‘Twas the soul of truth, and melting ruth                   それは心からの情熱、優しい慈悲
And the smile like a summer dawn                                   夏の夜明けのようなほほえみ
That sold my heart away on a soft summer day           穏かな夏の日に私の心を奪わ
                                   せたのは
In the valley near Slievenamon.                                             シュリーヴナモンの近くの谷で
 
 
In the festive hall, by the star-washed shore,              星が降り注ぐ岸辺の祝宴で
Oh, ever my restless spirit cries.                                                      私のそわそわした心は叫ぶ
“My love, oh, my love, shall3)I ne’er see you more.    「恋人よ、おお、恋人よ、
                                                                                                       もう君に会えないのか?
And my land, will you never uprise?”      そして、祖国よ、君は立ち上がらないのか?」
By night and by day, I ever, ever pray                         夜も昼も私は祈る
While my lonely life flows on                                      私のひとりぼっちの生命が飛んでいる間に
To see our flag unrolled5) and my true love to enfold    我らの旗が翻り、
                                    本当の愛を包むために
In the valley near Slievenamon.                                           シュリーヴナモンの近くの谷で
 
1)アーティストによってはAllになります。
2)Butとの場合もあります。
3)パターソンはshallですが、最近のアーティストの歌ではwill になることが多いようです。
4)アーティストによってはofになります。
5)原詩ではunfurledのようですが、時にunrolledと歌われるのは、末尾のenfoldとの押韻のためと思われます。
 
 
 
 

2件のコメント

  1. ヒース

    どんぽの ぱぶ3 さんへコメントありがとうございました。未熟なブログ、未熟な記述ですが、多少なりとも気にいっていただければ幸いです。ブログ全体を通してでもお気づきの点などありましたら、ご指摘ください。今後ともよろしくお願いします。ヒース

  2. ばぶ3

    たまたま「シルベナモン」という歌と「モーリン・ヘガティー」という人をYouTubeで見聞きしていたのでこのページを発見した時の喜びはとても大きなものでした。歌の背景をいろいろ知ることができて満足を覚えました。

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