ふるさとの歌-ムーンコイン

ふるさとの歌[08-09] アイルランド南東部の小村ムーンコイン
 
アイルランド南東部にキルケニー(Kilkenny)という州(county)があります。
州都のキルケニーは中世の面影を残す風光明媚な都市で、アイルランドの最高気温記録、最低気温記録は持つものの、通常は一年を通し大きな変化のない気候を維持しています。
キルケニー州南部にムーンコイン(Mooncoin)という小さな村があります。
アイルランド語ではMóin Choinnと綴られ、本来の発音はモーン・ホインに近いと思われます。(móin:bog;泥炭)
村の外れにはキルケニーとウォーターフォード(Waterford)を分けるシュール(Suir)川がゆったりと流れ、まさに「ふるさと感」を醸し出します。
  
              Philips’ Modern School Atlas (London, UK) に加筆
 
1800年代初頭、ヘンリー・マーフィー(Henry Murphy)という人がこの村にやってきて学校を建てました。
その息子、ワット・マーフィー(Watt Murphy)がその学校の教師として努め、やがて校長になります。
と言っても、教師はワット一人でした。
 
ワットは教区司祭の娘、エリザベス(Elizabeth)と付き合うようになり、やがて恋に落ちます。
しかし、エリザベスはワットより30歳以上も年下でした。
 
カトリック教徒にあるまじき関係に怒ったエリザベスの父親は彼女をイングランドに追いやり、家族もその地を離れます。
その裏にはワットが、当時まだ行われていた十分の一税法に批判的だったことも影響していると言われます。
 
一人残ったワットが失意の中でシュール川を歩きながら作ったのがこの曲です。
エリザベスはモリー(Molly)とも呼ばれていて、彼女を思う気持ちが込められています。
どこかに、あるいはどこにでもありそうな話ですが、これも19世紀にアイルランドで実際におこった出来事です。
 
以前に書いたトゥラリーのバラでもそうですが、バラはしばしば愛する人、美しい女性に充てられます。
この曲もまたその例外ではなく、乙女バラはアイルランドのロマンティック ソングの代表です。
この歌はまた、アイルランドの伝統スポーツを取り仕切る団体であるゲール体育協会(Gaelic Athletic Association-GAA)の大会等で特にハーリングのキルケニーチームのサポートソングとしても歌われます。
 
          The Rose Of Mooncoin 
 
How sweet ‘tis to roam by the sunny Suir stream,
And hear the dove’s coo ‘neath the morning’s sunbeam.
Where the thrush and the robin their sweet notes combine
On the banks of the Suir that flows down by Mooncoin. 
 
                      Refrain 
Flow on, lovely river, flow gently along.
By your waters so sweet sounds the lark’s merry song.
On your green banks I’ll wander where first I did join
With you, lovely Molly, the Rose of Mooncoin.

She has sailed far away o’er the dark rolling foam
Far away from the hills of her dear Irish home
Where the fishermen play with their boats, net and line
On the banks of the Suir that flows down by Mooncoin

                         Refrain

Oh Molly, dear Molly, has the time come at last,
When from you, dear Molly, from you I must part?
But I’ll think of you, Molly, while the summer sun shines
On the banks of the Suir that flows down by Mooncoin

                        Refrain

Then here’s to the Suir with its valley so fair
As oftimes we wandered in the cool morning shine
Where the roses are blooming and lilies entwine
On the banks of the Suir that flows down by Mooncoin

                        Refrain

YouTubeからはダブリン・シティー・ランブラーズ(Dublin City Ramblers)をお聴きください。

    

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